2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年ベスト映画

年の瀬ですので、長文ですが、隙間時間にでも。次点 『ダラス・バイヤーズクラブ』 『スガラムルディの魔女』 『トム・アット・ザ・ファーム』 『やさしい人』 『メビウス』 『百円の恋』 『フランシス・ハ』 『アデル、ブルーは熱い色』 『プリズナーズ』 …

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』 螺旋型の浮上への永遠の停滞

無性に自らの人生を否定したくなることがある。 それが故なきことだと知っていながらも、自らの境遇を嘆き、他者を羨み、悪態をつき、そんな自分を肯定してくれる人ですら傷付け、それが自らを傷付け、延々と堕落していく他ない循環を巡る。 完全に閉じて、…

『はちみつ色のユン』と『隣る人』

『はちみつ色のユン』は、時代や現実の要請によって、血の繋がった両親との生活を断絶された子供が、血の繋がりがないはずの他人と真の親子になってゆく過程を描いた物語である。 親子とはなんなのか、親と子という関係性を定義するものはなんなのか、そんな…

『プリズナーズ』

『羊たちの沈黙』を超える云々、『セブン』を超えた云々、日本の映画宣伝はミステリーの傑作を打ち出す際にそんな惹句をよく使う。 もちろんこの二本が映画界に与えた衝撃、影響を軽んじるつもりはない。今見ても全く色褪せることなく不穏な、不謹慎な輝きを…